9-6. 売り専の接客その6
お客さんとの絡みの一場面って、やっぱり皆気になるんすかね?
結局売り専もソープもやることは結局同じです。
熱く赤い欲で満たされた肉棒を頬張り、最後はアナを使って締め付ける。(その逆も勿論ありですけど)
どんなにイキがって俺らを馬鹿にしているような奴らでも、結局のところ情けない声を出して最後は果てるんです。
「あぁ・・・イクッ!」
ってね。
恥もへったくれもあったもんじゃありません。
何度も言っているけど、俺ら売り専ボーイの仕事はただお客さんを"イカせる"だけじゃないんです。
俺らが身を置く売り専業界は言わずもがな、性欲の裏側にある精神構造を理解することがリピーター獲得の鍵になってくるんです。
勿論売り専だと蔑んだ、ただのセックス狂の変態オヤジも稀にいます。
でも実際は口に出さないにしても、性欲のハケ口でしかない俺ら男に体を売っている売り専のボーイに、心の拠り所を求めてくるケースも少なくは無いんです。
俺のある夏の一日がそうであったように。
その日は茹だるような暑さと、蝉の鳴き声で目を覚ます。
そうだ、今日は12時に新規の客と待ち合わせしているんだった!
昨晩は寝付けが悪く準備と言う準備も出来ずに、急いで電車に飛び乗り、待ち合わせ先のシティーホテルに向かったんです。
いつもは髪も服装だって完璧に決めているのに、今日の俺はと言えば・・・髭を剃る時間すらなく、短パン、ラガーシャツの出で立ちは、どこからどう見てもゲイにしか見えなかったはず。(一般の人は分からないかもしれないけど、こういう仕事をしているから特にそう思うのかな?笑)
しかも今日の客はバックタチと聞いてきたのに、アナルのお清めも忘れている自分がなんだか滑稽で一人ニヤけていた。
とりあえず途中のコンビニでお清めは浣腸で完了!
あんまりよくないけどウォシュレットもついているので。。。
慣れた調子で視線を落としながらエントランスを抜け、早歩きで指定されたホテルの部屋を目指す。
とりあえず今日のお客さんはかなりのオラオラ路線のクマ系らしいし、2時間かぁ。
そんな不安まじりのため息を付きながら、ホテルの部屋のドアをノックする。
お客様は優しい口調で
お客様は、「よく来たね猿月君、とっても可愛いよ。」と囁きながら、俺の肩を抱きすくめる。
今日はオラオラじゃないのか?っと思いながら
俺「あっ、お客様・・・今日まだシャワー浴びてなくて、今から一緒に浴びませんか?」
と提案し、まるで恋人同士がするようにお互いの体を丹念に弄ぐる。
泡だらけの俺はそっと、お客様のチンポに手を伸ばし刺激を与える。
我慢の限界を泡越しに感じた俺は、
猿月「後はベッドの上で楽しみましょう!」
と言い浴室を後にした。
ベッドの上でお客様の黒光りするチンポはまるで天を仰ぐように、そそり立っている。
長さはそれ程ではないけど、実践では男女を問わず悦ばせることが出来るモノであろうことは容易に想像出来た。
お客様は顔に似合わず甘い言葉を囁きながら、俺の肥大した乳首にそっと舌を這わせる。
売り専担当が言うようなオラオラ系のタチとは到底思えずに、俺は安心仕切っていた。
猿月「アッ、そこはダメ。乳首弱いんです・・・」
いつもの乳首責めに悶えながらも、俺はお客様のモノに食いついた。
丁寧に竿からカリを舐め上げると、突然お客様が俺の頭を両手で掴み無理やりねじ込んでくる。
男臭さは無いものの、我慢汁と汗が混ざった匂いが鼻をつく。
お客様は必死で腰を振りながら、
お客様「オラオラ、もっと舌を使えよ!歯を立てるんじゃねえ。」
とさっきまでの士的な言葉からは想像できない言葉を毒づく。
俺も同僚であるYさん仕込みのバキュームフェラで応戦していると
お客様「アッ、出る・・・」と呆気なくお客様は果てた。
俺の口に、生のまま口内射精。生フェラはいいとしても、口に出すのはNGだ!しかも超濃厚ザーメン。
ティッシュにお客様の濃い精子は吐き出すけど、俺もちょっと不快な気持ちを隠せない。
若干笑顔をこわばらせながらも、
猿月「いきなり口に出すから、びっくりしちゃいましたよ~。」
と言い終わる前に、アナルに暖かい触感が伝わる。
こっ、このお客さん、今出したばかりなのに、もうビンビンなのかよ~。と心で嘆きながら、俺もお客様の絶妙な舌技には素直にならざるを得ない。
お客様「ケツいいよね?入れるよ?」
と荒い吐息を吐きながら、お客様はコンドームを装着し俺のアナルに押し当てる。
最初は売り専をするなんて想像もしていなかったし一生処女でいるものだと思っていて固く閉ざされていたアナルだけど、慣れとは恐ろしいもので今ではローション無しでも、ある程度のモノなら受け入れ可能なのだ。
すんなりと奥深くに入った熱いモノは、俺を女にする。正常位で優しくピストンをしながら、お客様は一人で唸っている。
ぶっといモノに突かれる度にまるで自分がAV女優になったかの如く淫乱になっていく。
正常位で喘ぎながらも、体位をスムーズに変えていき、今度は俺が上で腰を振る。
お客様「あー、お前の中トロトロだよ。淫乱なケツマンコだな!」
と俺のケツを平手打ち。パンパンと響く音が虚しく部屋の中をこだまする。
やがてお客様はバックに体制を変えて、ピストンのスピードを上げて俺を攻め上げる。
お客様が猛獣のような雄叫びを上げながら、俺の中で果てるのを確認すると、俺も右手のスピードを更に早めシーツに俺自身をぶっ放す。
大量に出された精子を焦点の合わない視線で見つめ、俺達はベッドに倒れ込んだのであった。
賢者モード?に入ったお客様は我に返ったのか
お客様「いやいやごめんねー、俺やっている時に人格変わっちゃうんだよー」
と謝るお客様。
猿月「いやいや、いいんですよ~」
と笑顔で返答する俺。
最初は苦手だった作り笑いだけど、今では随分自然に笑えている気がするんだ。
いつも行為後のピロートークって、なんかお喋りになっちゃうです。
よくお客さんにあまり自分のことを、話し過ぎちゃダメだよ!と注意されるんだけど、なんかセックスの後って無性に自分をさらけ出したくなる。
それはお客さんも同じみたいで、お客様も重い口を開き、家族や仕事の事。
全てを捨てて大阪に来たことなどをポツポツと話してくれた。
俺みたいなしがない売り専ボーイにできることなんて、何も無い。
皆そう思うでしょ?でも違うんです。
お客さんの欲望を満たし、愚痴を言い合うだけで、お客さんの心からフッと大きな荷物が消える感覚。分かってもらえるでしょうか?
人間って複雑に見えて意外と単純な生き物なんです。
それだけで「よし、明日からもがんばろう」なんて思えちゃう。
お客様は「今日はありがとうね!」とぎこちない笑顔を浮かべながら、俺のポケットに諭吉二枚とチップをねじ込む。
この瞬間から俺とお客様はただの他人。
シーツの中で泳いでいた2匹の魚はもういない。
俺は鞄をまさぐり、スマホで売り専担当に終了の連絡する。
売り専の接客その6は以上で、次は売り専接客番外編へ