2. 売り専のお店に応募へ
最初に売り専のお店の存在を知ったのは、商店街近くを歩いていた時のこと。すぐ前を歩いている人(他人)がスカウトマンにスカウトされていたのを見たんです。
「モデルのスカウトかな?」と思って、なんて誘われているか興味があったのでゆっくり歩きながら聞いてみたら、「男性の相手をする」という部分だけ聞き取れました。
その頃はまだなんにも知らなくて「え、なにそれ」と思って通り過ぎたのですが、数年後、その場所の近くにゲイバーや売り専の何軒かお店があることを知ったわけです。
スカウトマンは「それっぽい人」に声をかけていたみたいですね。
それからさらに数年後・・・
俺は大学を卒業して就職したは良いのですが、仕事でミスばかりしてうだつの上がらない俺に対して同僚や先輩とも徐々に距離が出来始めたのに気づき上司からも直接ではないものの自分の感違いではない雰囲気を感じとり結局1年で退職する。
すでに自立して独り暮らしだったわけで収入もなくだらだらしていると失業保険も自己退職出し保険が出るまでにすでに少しの貯金も底をつきてそろそろどうにもならなくなってきた。
さて次はどうしようかな?と考えていたところに、今度は普通に、女性が(たぶん)キャバ嬢のスカウトを受けているところに遭遇したんです。
「ああ、そういえば」と思い出したのが、何も取り柄がなく切羽詰っていたのもあって俺が出来そうな「そっち系」のお仕事である男性に体を売る「売り専」です。
そういう認識をした後に駅そばの裏路地を通ると風俗関係のお店はいたるところに有って、「つまり、そういうところで働いている人もたくさんいるわけだ」と気づいてしまったのです。
ネットで調べてみたら、すぐに「売り専」とか「ウリセン」という単語が出てきました。
俺は「ホモ」とか「ゲイ」くらいしか知らなかったのですが、言葉ってどんどん増えているんですね。
それどころか、売り専とか出張ホストのお店のホームページがたくさんあることを知りましたよ。そんなにあるんだって驚きました。とりあえずホームページを見まくってどんなことをするのか確認すると、男女がするハグからキス・フェラ・セックス(アナルセックス)と当然そのままでちょっと悩んだものの次は求人のページをじっくり読むことにしました。
お店にもジャンルがあって、売り専でもボーイ(従業員)の「系統」があること。「店舗型」と「出張型」があること。給料が(一般のアルバイトから考えると)かなり高いということ。
だいたいの傾向をつかんでから、「じゃあ、俺はどのお店ならば働けるだろう?」というのを考えてみました。
「ガタイ専」とか「ジャニ専」とかをうたっているお店は真っ先に除外することになります。普通体型のフツメンなので。
(あ、でも「ムキムキ」にならなれるかもと思って、しばらく腕立て腹筋をしていた時期が俺にもありました)
その時は知らなかった(だけかも)のですが「デブ専」のお店とかもあるらしいです。面白い世の中になってきました。
※ガタイ専:体が筋肉系、ジャニ専:顔がジ○ニーズ系のこと、俺とは程遠いので・・・。
で、俺は(オールジャンルになるのかな)ホームページをみてまともに運営していそうな普通っぽいお店をいくつか選び、そこからあみだくじですよ。自分で「こうだ」と思って決断した結果が良かったことなんて一度もないので、「運任せ」にしているんです。その後、あみだの結果が「当たり」だと判明するんですけどね。
あと、俺は「オープニングスタッフ募集」というお店を避けたんですけど、他の人はどうなんですかね? 何年前にお店が出来たっていうのを公言しているお店はあまりありませんが(直接お店に聞けば教えてもらえますけど)、出来たばかりのお店は潰れてしまってお金がもらえないとかシステム的に不安だな~って思ってしまったんですよね。俺がそういうお店で働いた経験が無いからかもしれませんけど。
給料のことが気になる人が多いかもしれませんが、俺は「普通のバイトの何倍ももらえるなら、全然いいな」って思ったので、時給換算で中間くらいのところを選んだんです。後から、「オプションが結構大きい」ということを教えてもらいましたね。でもそれは俺にとっては「ちょっとうれしい」くらいのもので、「普通のバイトの数倍」であればそれで良かったんです。あまり貰い過ぎても使い道に困るので。たまに散財しますが、そんなに使わないんですよね。当面の生活費があれば満足だったんです。
で、応募することを決意するわけですが、お店の求人ページにはメールもしくは電話で連絡を、って書いてありました。
後は、「未経験者でも大丈夫」「ノンケでも大丈夫」という条件を確認してから電話することに決めました。
俺の推測では「あの~、働きたいんですけど」って言ったら「そうなの?じゃあこれから来ちゃいなよ、YOUすぐに来ちゃいなよ」って言われてなし崩し的に体験入店とかしちゃうパターンだ。って思っていたら本当にそんな感じで・・・
「それでしたら、一度、お店の雰囲気を見てもらった方が分かりやすいと思うので、今日、もうこれからすぐに面接にいらっしゃいませんか? ねぇ、その方がいいですよ」
とにこやかな声で言われてしまったので
「あ、はい、ありがとうございます、これから伺います!」
と言わざるを得なくなってしまったのです。まあこれは俺の作戦通りだったわけですけど。(それともお店側の作戦通りだったのでしょうか?・・・お互いの意見が一致したのは変わりませんよね)
早く働きたい場合は電話が最適だな、っていうのが分かったわけです。
持ち物としては、売り専をする上で身分証明証(今は本人確認書類というらしいですね)が必要だったのと、採用されたら写真を撮るかもしれないので、撮影されてもよい服装で。というのを言われました。
とりあえず服装だけデートに着ていけそうな服に着替え、「面接でこう聞かれたら、こう答えよう」とか考える暇もなく、お店に向かうのでした。
かなり長くなってので「面接」の詳細は次に書きます。
あ、そうそう、最近ではLINEで売り専の求人応募を受け付けているお店とかもあるんですね。進歩しすぎでしょう!
売り専のお店に応募は以上で、次は売り専面接へ